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コルコバードのキリスト像南アメリカ大陸のほぼ半分以上の面積を占める大国ブラジル。その南東部に、大西洋に面したリオデジャネイロ市があります。人口は約600万人で、ブラジルではサンパウロ市に次いで第2位にランクされています。歴史的中心部のセントロ、コパカバーナ海岸、イパネマ海岸、リオのカーニバル…ブラジルが世界に誇る名所・名物が次々に思い浮かんできますが、いちばん最初に思い出すのはやはり、あの切り立った山の上に、両手を広げ気高く聳え立つキリスト像ではないでしょうか。キリスト像の立つコルコバードの丘は、リオデジャネイロ市の海側にあり、標高710m。丘の上つまりキリスト像の足元には展望台があり、リオデジャネイロの街が一望できますが、周囲は目も眩むようなほぼ垂直の断崖絶壁となっており、どうしてあの上にキリスト像があるのかとお思いの方も多いでしょう。キリスト像は1922年から、ブラジル独立100周年にあたる1931年の9年間にわたって建設されました。
高さは39.6m、そのうち台座の高さが9.5m、手を広げた幅は30mあります。この像を彫刻したのはフランスの彫刻家ポール・ランドウスキで、像そのものはフランスで作られたと同時に輪切りにされてブラジルへ運ばれ、予め完成していた台座に立てられました。そしてこれも予め敷設されていた登山電車で運び上げられた後、下部から順に組み立てられました。でも、巨大重機などまだなかった時代、足場を組みながら上へ上へと作業が進められたのでしょうが、高い所でも平気だという作業員が人選されて行われたのでしょう。もしも今度建て替え工事が行われるとしても、あの断崖絶壁の上に巨大重機は搬送できないでしょう。とすれば、1931年完成当時の作業で行われる以外ありませんね。いよいよ2016年リオデジャネイロ五輪が迫ってきました。キリスト像は毎日のように、今まで以上に世界から注目されるでしょう。
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